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「アメリカで育つ日本の子どもたち」 

  2008年3月31日刊

アメリカに渡航する予定の方、またアメリカに住む方にとって、とりわけ参考になる本だと思います。異文化間教育の分野で有名な佐藤郡衛氏と、9人のアメリカ在住の女性研究者が執筆しています。主に「言葉」の問題と「アイデンティティ」の問題について、非常に分かりやすい言葉で、保護者に向けて書かれています。子どもの状況をよく知り、どういった支援をしていったらよいのかについて、考えるヒントとなるようにと意図され作られた本です。

第1章 

海外在住の日本人が多様化しています。在米日本人は大きく分けると「短期滞在日本人」「新一世(長期滞在日本人)」「帰米二世・新二世」「渡米した在日コリアン」「日系アメリカ人二世~五世」の5つのタイプに分けられます。

渡米したばかりの子どもはLEP(Limited English Proficiency)Studentということになり、ELD(Enlish Language Development)と呼ばれるクラスに入ることが多いのですが、そこでは英語力だけではなく、アメリカでの学習スタイルや学校文化、アメリカ公民としての資質も学びます。まさしく「文化間移動」をすることになります。

また今や補習授業校(補習校)に通うのは「短期滞在の子ども」「長期滞在の子ども」「永住の子ども」「国際結婚家庭の子ども」と多様化しており、従来の短期滞在の子どもばかりを対象とした学校では、実情に合わなくなってきているケースも多いのです。

第2章

移民に対するアメリカの教育政策の変遷について書かれています。1890年頃までは黙認期、1960年頃まではアメリカ化への圧力の時代、1980年頃までは公民権運動とバイリンガル教育認可の時代、1980年以降はEnglish Onlyの時代、というふうに4つに区分されています。

イングリッシュ・オンリーの動きは、移民の子ども達の英語教育に大きな影響を与えています。幼稚園から英語教育を受けた場合、ある研究ではネイティブの8割の会話力に達するのに3年弱、読み書きに関しては5,6年かかると出たそうです。渡航年齢によってはもっとかかることも考えられます。それが、この政策によって英語教育に費やされる時間が短くなり、教育現場は困っています。

また「落ちこぼれを無くす政策」(NCLB)によっても、英語学習者は多大な影響を受けています。3年生から8年生まで毎年、英語と数学(算数)のテストがあり、10年生から12年生までに最低1回は英語読解と数学のテストが行われ、この結果を各学校は公表することになりました。ELL(English Language Learner)の生徒達も同様の試験を受けなけらばならず、この試験の実施に対しては、各学校区で特別措置の方法がまちまちです。(翻訳をつけたり等)

いずれにしろ、現在は渡米した子どもにとって、以前よりは大変になってきています。

第3章

バイリンガルには2言語が同等にハイレベルで使える「プロフィシェント・バイリンガル」、どちらかが強い「パーシャル・バイリンガル」、どちらも不自由な「リミテッド・バイリンガル」(セミリンガル)に分けられますが、気をつけねばならないのは「リミテッド」のケースです。英語については州のテスト結果を、日本語力については、親が十分注意して観察しておかなければなりません。

日本語を学ぶ場として、日本人学校、補習授業校、日本語学校(継承語学校)、高校日本語クラス、塾、家庭教師などがあります。それぞれの特徴をよく理解しておかなければなりません。

英語習得については渡航時期や期間、環境によって異なります。また家庭言語環境も大切な要素です。

第4章

この章では、言語習得について分かりやすく言語学的に書いてあります。

ある日、突然、言葉の分からない国へ行ったら、どれほどのストレスを受けるかについて、その例が述べられています。

話し言葉はまず沈黙期という時期があって、その時期は言語情報を吸収している時期です。やがて丸暗記した言葉を喋り始め、次に文法規則を自分なりに予測して話すようになります。語彙が不足している時は、違う言語が混ざったりします。語彙不足はその地に住まない限り、どうしても起こりうるので、ある程度は仕方がありません。(幼稚園から英語を学んでも、9歳頃までは起こります)

小学校入学頃までに第一言語の基礎が固まり、以後は英語に引き寄せられることが多くなるので、十分基礎固めに注意する必要があります。

小学校1年から3年までに、字と音を合わせ、語のまとまりを認識する力など、様々な「読むことを学ぶ」基礎を作る時期です。それらをしっかり身につけないと、小学校4年以上の「学ぶために読む」ということに繋がりません。読み聞かせが有効な方法であり、子ども達が黙読できるようになっても、時には音読させることが重要です。

第5章

ロサンゼルスとワシントンDCで行ったアンケート結果に基づいて書かれています。

①アメリカの学校は思ったより宿題やテストが多い。規則を破った時の罰則が日本より厳しい。しかし思ったより子どもが早く慣れた。思った以上に少人数で目が行き届く。                                                                ②英語が分かるようになったのは、半年から1年位。保護者からの回答は、これより少し遅めの1年を過ぎたあたり、となっています。親は「言いたいことが言えないのではないか」と心配しますが、子どもは「聞き取れないのではないか」といった聴解を心配しています。                                         ③補習授業校は楽しいという回答が多くなっています。子ども達は親が思う以上に授業や勉強を楽しいと感じているようです。                                                    ④日本語が難しいと感じる時期は、渡米後1年位してからで、英語力がついてきた時期と重なります。渡航時期による差が大きく、10歳で渡米した兄は強いていえば日本語が得意と言うが、7歳で渡米した妹は英語の方が得意と答えたりします。                                         ⑤日本語の保持に対して保護者は、十分注意しているようで、本を読ませたり、社会問題について話し合ったり、さまざまな家庭学習を試みています。                                     ⑥滞米中の問題点と解決策には、さまざまなアイデアがあります。親が学校のボランティアをすること、失敗から学ぶこと、日本人同士で固まらない、日本人とのネットワークを作る、アメリカのシステムについて子どもの前で愚痴を言ったりしない、頑張り過ぎず息抜きをする、他人と比較せず長い目で考える、など。                                                              また、これから渡米する人に対しても様々な有益なメッセージがあります(P.112)

いずれにしろ、保護者がリラックスし、滞米を前向きに考え、子どもの持つ力を信じ、励ますことが大切だと、親達は認識していると書かれています。

第6章~第10章は次回に。

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