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異文化間教育学会大会に参加して

このブログでアナウンスしていました異文化間教育学会の第29回大会が5月31日(土)・6月1日(日)に京都外国語大学で開かれまして、私もお伺いいたしました。非常に勉強になりました。特に今年は、帰国子女関係の発表も少し増加していたように感じます。

まず第一日目の午前は「多文化共生社会をめざしてー異文化間教育の使命」というパネルディスカッションをお聞きしました。まず学校現場のフィールドワークというミクロの視点のお話、次は多文化共生に関するカリキュラム構築について、最後に異文化間教育を教育政策にどう反映するかというマクロのお話でした。私のようなボランティアをしている立場からは、やはりミクロな学校現場ということに最も関心がいきました。「教える」「教えられる」という権力関係を意識することの必要性、また多層的な語りを許せる場と、一つの実践として収斂していく方向性の両方が絶えず再構築されていくことの重要性については、非常に共感を覚えました。カリキュラム構築に関しては、横浜の海外移住資料館を使った試みにとても興味を感じました。早く神戸の移住資料室が開室しないかと思います。

午後は「海外帰国子女教育」の発表をお聞きしました。方法論的には量的研究(アンケートなどを使った数値的研究)と質的研究(当事者の語りを聞く)という大きく二つに分かれ(もちろん、多少はどちらも重複することもあります)、内容的には言語に関するものと意識やアイデンティティといった心理に関するものの二つがありました。

最初の発表での結論としては「在外時も日本向きの生活を送ることが容易になった結果、もはや在外年数は帰国後の意識を規定する要因になっていない」ということでした。                                                 二つめの発表は、年少時帰国児童の言語保持を冠詞に注目して調べるおいう内容でした。近年、年少帰国児であっても言語保持しているケースが散見されるようになっているということでした。                                                   三つめは「日本人学校出身者のアイデンティティ形成と帰国生ステレオタイプの関連」という内容の質的研究でした。帰国生というと英語が喋れる、積極的といったステレオタイプが巷に蔓延していて、日本人学校出身者はそのギャップに困惑している者も居るといった内容で、自分のユニークネスの喪失がアイデンティティ形成を困難にしていることも少なからずある、という話でした。それについて、自分の過去を肯定的に語れる場であったり、自分と同じような文化を共有できる場が困難を解消するようでした。                                                                    四つ目は帰国生の帰国直後の言語習得レベルを調べるという内容で、長期滞在者ほどライティング力スピーキング力も高いという結果で、とりわけライティング力はネィティブに近い者も多いが、即時性を要求されるスピーキング力は少しネイティブより低い結果が出たとのことでした。                                                          最後は国際結婚家族についての聞き取り調査を主とした研究でした。

最初の発表は在外年数は帰国後の意識に影響しないといった内容で、4つ目は滞在年数は言語習得に大きく影響するといった内容でした。その違いについてお聞きすると、最初の発表はあくまで意識に重点が置かれていること、後の発表は言語に限定していること、また後の発表は調査が10年近く前だったことで、近年の状況とは違っている可能性もあるとのことでした。

最初の発表の先生は、近年、日本語の保持もできている帰国生が多くなっていると実感するとともに、日本語ができない生徒も増えているという実感があるということでした。その場合、国際結婚のケースが多く、ニューカマーとは違って親が援助できる点はいいのだが、日本語補習クラスへ行くことを渋るケースもあるということでした。また、最近は母語教育の重要性への認識も高まり、日本語も保持できていて、なおかつ外国語も保持できているいわゆるバイリンガルに近い生徒もかなり居るように思うとのことでした。

以上から、家庭の意識、現地の環境、渡航年齢などきっと複雑な要因が絡み合うものの、場合によっては二言語にある程度習熟することは可能なのかな、という気がしました。もちろん、いろいろな幸運なめぐり合わせというものも不可欠で、これだけはどうしようもありませんが。

日本人学校出身者については、「帰国子女」という世間一般のステレオタイプが修正され、子ども時代の一時期を海外で違う空気を吸っていただけで、十分ユニークであると自他共に認められる世間の認識がもっともっと必要だろうと感じました。また上記研究者が話していらっしゃった語らいの場は帰国婦人にも必要で、そういった場として「ピアーズ@関西」が機能できたらと思っています。

さて、二日目です。まずポスター発表にお伺いいたしました。「帰国生徒の自己意識と学習教科に関する自己評価」の発表をお聞きしました。帰国後年数による違いを量的に研究されたものでした。英語圏からの帰国者が多かったのですが、帰国後3年未満は英語に対する自己評価が高いのだが、海外志向が強いグループと低いグループがあり、その後3年経つと英語力も含めてかなりバラツキが出てきて、5年以上になるとまた、帰国後3年未満と同様の形状になっていました。面白いなと思いました。

ポスターセッションでは、日本語を第二言語とする高校で教えている先生による「JSL生徒の高校進学と入学後の学習支援の実態と課題」という内容も、私にとっては興味深いでした。今後のピアーズの活動の参考にもなると感じました。                                                また関西大学ではインターネットを用いて、国際理解教育を進めるための研究がかなりなされているようだと分かりました。学生さん達の参加も大変多く、活気があるようでした。

ケース/パネルでは研究方法としてのインタビュー手法の相互構築過程についてのセッションに伺いました。絶えず自分の立ち位置を検証し、いろいろな権力関係を視野に入れつつ考えていくというのは、私は非常に面白いと感じました。

最後の個人・共同発表についても、「関係性」をキーワードにした部会のお話をお聞きし、量的研究から落ちこぼれがちな質的研究、また絶えず再構築していかなければならない質的研究について、興味深く感じました。論客の先生方のお話はすごく刺激的です。私はほんとに単に聞くだけですけど。

以上がご報告です。        

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