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大阪教育大学附属池田小学校・中学校・高校を訪問

大阪教育大学附属池田は関西では神戸大学附属住吉と京都教育大学附属桃山と同様、帰国子女を受け入れる国立の一つです。ただし、他2校とは違い、帰国子女学級を持たず混入方式を取り、ソフトランディングといった救済目的ではなく、一般生に対して刺激となるような発信力を持った生徒を求めています。大学進学という面を考えると、関西で帰国子女を受け入れる高校の中では、西大和学園・京都教育大学付属桃山と並び高い進学実績を持っています。けれど西大和とは多少異なり、国立2校は生徒の自主性に重きを置いているようです。


阪急池田駅の改札を出て右方向へまっすぐ行き、ビルの中を通って市庁舎方向へ向かうと、国道176号線(イナロク)に降りることができます。そこからずっと東方向へ歩いていき大きな道を渡り、しばらく行くと細い道の左斜め向かい角に光明公園という小さな公園が現れます。その細い道を左に折れ、次にカーブミラーのある三叉路を右手に折れてまっすぐに突き当たりまで行きます。突き当たりには小さな川があり、そこを左手に行くとまたすぐ突き当たりで、そこを右に曲がるとそこはもう附属の入り口で、門番さんがいらっしゃいます。そこから校内になるわけですが、けやき坂というゆるい長い並木道を上っていきます。緑豊かなゆったりとした敷地を持った学舎です。坂を上りきると白いモニュメントが現れ、そのすぐ右手が新しくなった小学校校舎、真正面が中学校舎、左手奥が高校校舎になっています。駅からは徒歩20分ということですが、小学生と高校生ではずいぶん、違いがあることでしょう。


この公園の手前を左折ここを左折次にここを右折次にここを右折緑が見えているところから「けやき坂」緑の見える所に守衛さんけやき坂けやき坂
小学校はガラスを多用した新しい建物です。中に入って校長室に通していただきましたが、右手の教室がある側には広い廊下があり、教室は大きく開かれていて授業の様子をちらっと垣間見ることができました。校長室の手前に職員室があるのですが、そこもガラスでよく見通せます。職員室の前の吹き抜けになった左下には図書室が見え、英語の絵本がいくらか置かれてあるのが上から分かりました。


さて、小学校では3年生以上を受け入れています。現在、4年生以上は6人の枠を充たしていて、3年生だけは受け入れられるそうです。しかし、すでに4月に3人が入っているので、残りは3人だけとなっています。大変人気があるようです。生徒達は現地校出身者の割合が大きいと仰っていました。海外での生活を生かしつつ、一般生徒に良い影響を与えてくれる生徒が望ましいということでした。そのためには3人の先生で行う個人面接で物怖じしない生徒かどうか(ただし質問者は1人か2人)、集団面接(作業を行う)でうまく人間関係を築ける生徒かどうかを見ていらっしゃるそうです。自分勝手でも引っ込み思案でも良くないということなのでしょう。なお、外国人ニューカマーの生徒は居ないそうです。


中学進学についてお尋ねしたところ、5年、6年の時の成績によるそうですが、120名の在籍者中75人が推薦されることとなり、その中に入っておく必要があります。6年になるとテストがあるたびに懇談が持たれ、その中で上に進めるかどうかの話が出てくるそうです。現在のところ、帰国生徒はトップクラスであるということでした。特に補習が必要な生徒もいないようです。


研究授業があったり、ごくたまに土曜日に公開授業が開かれたりもするそうです。教育大附属なので教育実習生が入ったりといったようなこともあるけれど、授業の質は高い上、生徒達の質も高いので、なんの問題も無いということのようでした。                 先生方は5年~10年のスパンで公立から研究に来ていらっしゃるという先生と、長期にわたりいらっしゃる先生とで構成されているそうです。                    外国からの視察のお客様もよくあるそうですが、そういう時に帰国生徒は案内をしたり挨拶をしたりなどするそうです。                                    カルチャースクールというのが土曜日に開かれることもあるそうで、そこでは保護者や外部の方に来ていただいて教室が開かれます。将棋のプロに来ていただいて指導を受けたこともあると仰っていました。                                  読書については、毎日10分間読書をしているそうです。


施設についてですが、プール・体育館・図書館は皆、小学校専用のものになっています。ずっとフェンスがあって、安全性の確保が十分なように思われました。          PTA活動は活発で、来年、創立100周年行事があるそうですが、それに向けて、いろいろな準備が進められていると仰っていました。


大変、手厚い教育を受けられるように感じました。ただし、生徒の側にも高い学力と積極性、協調性が要ると思います。小学校から高校までずっと一緒の生徒も居て、良いお友達もできることでしょう。ただ、いろいろな階層の子どもに出会うことは少なくなるかもしれませんね。


右手が小学校、正面が中学校、左手奥が高校正面が中学三校の配置図三校配置図
次に中学校について書いていきます。中学校はロの字型校舎で中庭があります。                               中学校は現在のところ1年生に5人、2年生に2人の枠が空いているそうです。                帰国生徒は年度によってばらつきがあるそうですが、純粋に現地校出身という生徒は少ないそうです。外国籍生徒もとっていらっしゃるのですが、中国人などは小学5年位で来日して、中学で国際枠で本校に入った後、非常な学習振りで大変優秀な成績だそうです。さて、国際枠の試験ですが、算数・国語については本校の学習についていけるかどうかを見ているだけだそうで、それよりも日本語による面接で、物怖じせず情報発信ができる生徒かどうか、ということを重視されているということでした。数年前はアジアからの生徒の入学が多かったが、つい最近は英語圏の生徒の入学が多いようだとおっしゃっていました。これは、まったく偶然だそうです。


高校への進学についてお聞きしましたところ、3年生の成績を中心として判定し、7割の生徒が上へ進めるということでした。成績は10段階の絶対評価ですが順位は出さず、成績分布のヒストグラム図などを提供するそうです。外部へ出なければいけない生徒は、自分で自覚して準備をする必要があるようです。上に進めないかもしれない、というのを学校側が切り出すのは、場合によってはやる気をなくさせたりもするので伝え方が難しいということでした。


英語については帰国生徒のために特に進んだ授業はないようですが、放課後に希望者がいれば、モンゴル語・中国語・英語などを年間20回程度、留学生などの外部の講師による講習があったりするそうです。去年はドイツ語やフランス語もあったということでした。 また夏休みは希望者を募ってオーストラリアへの2週間くらいの研修旅行もあるそうで、ホームステイも組み込まれているということでした。40万円近くするそうですがとても人気があって、文化の違いを言葉で伝えられるかどうかを面接で見るといった選抜をするそうです。なお、修学旅行は総合学習と関連させており、毎年九州か沖縄になっているということでした。


帰国生徒の学習の遅れや未学習の分野ですが、試験1週間前くらいに帰国生徒達が集まって先生に頼んで補習をしてもらったりするそうです。5教科については自分で勉強するのか、あまり利用はないそうですが、音楽の楽譜の読み方などの希望はあるそうです。また下の学年の生徒が上の学年の生徒に教えて貰うといったチューター制度も希望があれば、学年初めに出すことができるそうです。学期は3学期制をとっています。


クラブの加入率は高いそうですが、勉強もあるので、クラブ三昧という生徒は居ないようです。また3学期制であるため、一般的には2学期制が増えている現在、他校との試合日程調整が難しいこともある、と仰っていました。


PTA活動は活発なようで、HPを見ると国際交流のPTA活動など、特に活発なように見受けられました。お母様方の活動の場もあるのではないでしょうか。       


中学の中庭中学の中庭メディアセンターメディアセンター
さて、最後に高校です。高校は8名の帰国枠がありますが、2年生以上の編入はありません。今のところ、外国籍の生徒は居ないということでした。なお、試験は英・数・国と面接になりますが、学科試験の問題は一般生徒と同じ問題で、面接を含めて8人を上位から採っていくということでした。本校が帰国生を受け入れ始めて10年以上経つということでずいぶん周知された為か、最近は2倍以上の倍率だそうで、学科試験でかなり高得点を取る生徒が居るそうです。面接については筆記試験と同日の午後、面接形式を変えて2回行うとのことでした。やはり発信力のある生徒が好ましいようでした。1年入学時は帰国生徒は4人ずつに分かれてクラスに入りますが、2年生以上になるとバラバラになるそうです。校区は中学とはまた異なり、かなり広くなっていますが、通学時間が長いといろいろな活動に響くので、無理はしないほうが良いでしょうということでした。


授業についてですが、本校では文理でクラス分けを行っていません。2年までは全員必修の科目も多く、3年になってかなり選択が増え、文理の進路に即した科目を選択するそうです。ですから3年になると選択科目によっては空き時間があったり、朝遅い登校になったりするということです。遅れている科目についてですが、国・数はそれぞれ週1回程度の補習が行われたりします。また一般生徒も土曜日に希望者は補習を受けることもあるそうです。学期は2学期制をとっており、試験は6月・9月・12月・3月の4回だそうです。なお高校では小・中ほどは公開授業は多くないようにお聞きしました。先生方は以前は附属採用で長い先生も多かったそうですが、今は府との交流人事で勤務する先生が増えてきているそうです。


附属では文化祭などすべての活動が生徒会を主体にして動き、先生方はそれに承認を与える形だそうです。3年生でも7月の文化祭まではそれに集中し、それが終わると一転して受験モードに入るそうです。切り替えが素早い生徒が多いということでした。                                                 修学旅行についても生徒の意見で行く先が決まり、北海道になることが多いそうです。                                                                     ユネスコ協同学校の活動が盛んで、非常に交流が多く、そのため生徒達全員が英語へのモチベーションが高いそうです。アジア4カ国との交流での派遣については、総合学習で培った意見交換力に基づいて10名前後が選抜されるとのことでした。英語の授業についても、かなりハイレベルの内容だそうです。SELHiの指定も受けていましたが、それも全員を対象とした内容だったと伺いました。


進学についてお伺いしたところ、上記のような国際交流を通じて、国際関係へ進みたいという生徒も居るのですが、AO入試では殆どがラクに合格しているとのことでした。英語力・発言力・学力といったものが伴っているのでしょう。また、大学名で進路選択をするのではなく、将来への目的意識を持った進路選択をする生徒が多いとも仰っていました。小規模校なので、先生方も全生徒をよく知っていらっしゃるようです。


施設についてお聞きしたところ、中・高は共用しているものが多いとのことでした。体育館・運動場なども共用のため、時間割を組むのに苦労があるそうです。近く体育館は改修になるとのことでした。なお施設共用でグラウンドもそれほど広くはないので、クラブは場所取りに苦労するとのことでした。しかしながらクラブ加入率は文化系も含めて高く、「強くはないが熱心です」とのことでした。メディアセンターという立派な新しい建物が中高の建物の中間にあり、そこは1階が図書館、2階がコンピュータルームになっています。それも中高で利用します。                                                                                                                               高校の校舎は縦長のL字型となっています。


中学までは制服があるのですが、高校には制服はありません。校則といったものは殆ど無いそうです。しかし派手な生徒は居ないということでした。入学当初は派手にしていても、結局、小規模校なので互いに人間としての中身を問うことになり、外見はそれほど重要ではなくなるそうです。ただし卒業式は派手だそうで、男子はスーツが多く、女子は袴や着物が2/3を占めるということでした。


小・中・高を通して、自主自律や、自ら考え発信できる生徒を実際、育てている学校なのだと感じました。ただし、それだけにしっかりとした自分を持った子どもでないと、力を十分発揮できないだろうという気がしました。

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